会計士、税理士、行政書士との付き合い方

士業の人たちと付き合い方って

とある友人からの相談で出てきた話ですが、会社の代表を交代する上で株式の譲渡の契約でもめていました。

本人曰く、会社を設立したが当初の予定通り運営できず、話が違うとのことで、代表を交替する。と言うことで会社の株式と今まで貸したお金を返してもらうとの事で代表を交代すると言うことが事の発端だそうです。

で、最近分割で支払ってもらう代金?が滞っているので、どうしたらいいか悩んでいること

じゃあ、契約書をを見せてと言うことで

中身拝見

条項的には問題もないのですが、株式の譲渡に関する金額が、1株あたりの単価の記載がなく、今までの残債と不足する支払額が含まれていました。

株式譲渡契約書に関しては、会社の株を譲渡するからこれだけの金額を支払います。の契約書になりますが不足していた金額や、借入れた金額に対しての利息の金額も入っていました。

貸したお金は借用書になるのですけどね。

返済でのよくある事

よくある金銭トラブルのネタで分割で支払う約束が、だんだん遅れてきて、催促しすぎると借りた側が

「そこまで言うなら、もう支払わない」と言い出す始末。

開き直りの言い分なのですが・・・

返してもらう側は、

「なんて事を言うんだ!」

もう怒りの気持ちが先走っています。そして、どうしたらいいか分からない状態になった後での相談でした。

はじめはいいのですが

起業する時は希望に溢れていて、こうしたらいい、こうなったら儲かるなど、良いことばかりを言って会社を起こすのですが、中々経営の知識を持ってから起業する事はないですよね。

かくゆう自分もそうでした。

で、立ち行かなくなり、当人は一緒に仕事は出来ないとのことで袂を別つのですが、事業資金を借金して用意した手前、会社を渡すのにも起業時に用意したお金を返して欲しい、とのことで株式譲渡契約に至ったわけです。

で、本人は契約書とか、よく分からないから、知り合いの公認会計士に書類を確認してもらいました。

大丈夫のお墨付きを貰って、安心していたようですが、自分の見立てでは株式の譲渡の金額がおかしなことになっていました。

契約書に書いてある金額の内容は、借入れたお金の残金、コンサル料、譲渡する人の父親に貸した金額。

もう、株式の金額はどこへ言ったやら・・・

どうして、ここに個人的な金額入れたの?と質問をしたら

「公認会計士さんに見てもらって、問題ないと言われたから」

確かに、契約書については、最低必要事項の条項はありましたが、別紙の金額の明細はどうなのって感じです。

会計士とか弁護士などで契約書をチェック

ここで、結構な人が勘違いしますが、会計士とか弁護士など契約書をチェックしてもらいますが法的な事はチェックしてもらえますが、この契約書の意図とかは、全く関与しません。

背景にどんな事があってこの契約書を作ることになったかは、知ろうともしませんし、依頼者も全く説明しません(本人もよう分かっていない事が多いと思います)

知らない上に契約書を撒いておけば後々、大丈夫だろうと

でも、トラブルんですよね。

金の切れ目が縁の切れ目。では無いのですが、切羽詰まれば自分の主張を言いたい放題。

まあ、ここで始めて契約書が出てきて確認をし合うのですが、そこからはつっ込み合いでは無いのですが、ここがおかしいとか、この部分は無効だとか主張し始める訳です。

大体の人がそんなつもりでは無かった、公認会計士に確認してOKをもらってるとか

弁護士さんとか、法の専門家に見てもらっても、最後の最後に出てくるのが法の解釈です。

このつもりで書いてあると言っても、こう言う解釈だったと相手は主張し始める訳です。

知らない者同士が、言い合いし始めると、もう、泥仕合いです。

後々トラブルにならないように。

専門家に見てもらうときは、この契約をするにあたっての意図を明確に伝える必要があります。

そうでなければ、文章(文言)上問題がなければ、専門家の人はOKを出します。

まあ、当たり前ですが

武装も必要

起業するということは、希望に満ちていますが、外敵に対して守るために法的に武装するのも必要なんです。

個人で商売をするより、扱う金額も大きくなりますし、責任の所在も明確にしておかないと全部個人が責任をかぶることになります。(まあ、代表になれば当たり前ですが)意外に分かっていない人が多いです。

人を雇ったり、他の企業に外注したりすれば、責任はどんどん増えていきます。

その分リターンも大きくなるのですが

ですから、めんどくさがらずに法的な事も順番に覚えていくことをお勧めします。

うちは弁護士さんにチェックしてもらっているから大丈夫とか言っても、責任を取るのはあなたです。

内容の意味を理解するように心がけてください

財布も別にしないと

後、法人を作ったら財布は別人のものと理解しておくのも必要です。

社長が俺だからといって、自分の口座から支払ったり、私用の物を会社の口座から支払ったりすると後で痛い目に合いますよ。

それは、税務署であったり、悪意の持った人からの攻撃であったり、だって社長であろうと会社のお金に手をつけたら背任行為で逮捕もできます。

ここでも、会計の知識があれば、帳簿上辻褄があったお金の流れにしておけば問題になりません。

知識は力になります。

徐々にでいいので、会計、法律の知識をつけていくと、起業したメリットをたくさん享受できるようになります。

今回の流れ

登場人物

Aさん(本人)

Bさん(今回起業を提案した人)

Cさん(Bさんの息子)

 

Bさんから新しく事業を起こそうと提案を受けAさんが賛同する。

会社を設立するためにAさんは親戚を頼って300万円を集める。(Aさんの口座に入金)

銀行からAさんは300万円を借り入れる(Aさんの口座に入金)

資本金が出来た為、親戚から借りていたお金を全額返済する(Aさんの口座から返金)

会社の設立が遅れる

銀行からの返済が始まる

Aさんの口座に資本金用の300万円の残高が足りない

Bさんの取引先から300万円用意される

会社設立

事業用に工場と事務所(喫茶店)を借りる(敷金礼金で550万ほど支払い)(Aさんの口座から支払)

事業を開始

元々Aさんがやっていた仕事をCさんに教えてほしい、その分の給料はBさんが支払うとのことでCさんに教え始める

事業の採算が合わなくなる(支払いが滞る)

Aさんがこのままでは困ると言う

Cさんに事業継承する(株式譲渡の契約を交わす)

分割の支払いが遅れ始める

Cさんが手伝った仕事の報酬をAさんに催促し始める

Aさんが怒る

Cさんがだったら残りのお金を払わないと言い始める

ここでの反省点

Aさんは起業した会社の会計を全く理解していなかった(お金の出入りを見ていなかった)

Aさんは会社を起こした後、会社の口座に入金をせずに自分の口座から事務所の契約金等を支払っていた

株式譲渡に関連する事と、自分の貰っていなかった金額をごちゃ混ぜにして契約書を作った

株式の金額が曖昧になっている(本来300万円で作ったなら300万円で)

Cさんが分割で支払うのに、保証人も担保も取っていなかった

Cさんの仕事に対して金額をきちっと決めていなかった

会社の代表なのに

会社を起こした本人なのに、会社の入出金を理解していなかったのが、最大の原因になっています。

いくら人任せにしても代表になっている以上、会社の状況は把握しなければなりません。

だって責任は全て代表にかかってくるのですから。

でも、相談を受けたからには少なからずAさんに負債が残らないように、うまく立ち回って見ましょう。

ところが、

資料を揃えて、確認をしたら、月々の支払いはキチッとされていました。

Aさんに確認したところ電話で「今月の支払いを遅らして欲しい」と言われたところから口論となったそうですが、口座の記帳は行かずに入金を遅らされたと思い込んで怒り狂っていました。

Aさんは、3ヶ月も悩んでいました。

メチャクチャ落ち込んだ後に、僕に相談してきたので、絶句でした。

人は思い込むと何も見えなくなるんですね。

今回のことはいい勉強になりました。

Aさんにもアドバイスしました。

まず、事実を確認しよう(通帳の記帳)

少なくとも1ヶ月に1回は会社を見に行こう

(仕事をやっているかの確認、少なくとも仕事をしていれば相手はお金を稼いでいる)

返済の不安の解消

会計の知識を少しずつでもいいから身につけよう

(今回、資本金を用意した時Bさんから親戚に借りたお金を返していいと言われて返したが、起業時に残高が不足して別で用意して貰った。さらに会社の口座に資本金を入金せずに自分の口座から敷金礼金等のお金を振込んだ。本人は会社のお金と区別の自覚無し、Bさんに起業時のトラブルとして文句を言われ続けるハメになる)

 

 

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